「ECの次に “ギフト” の時代が来る」ネット×ギフトが生む新たな市場とは | 特集記事

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「ECの次に “ギフト” の時代が来る」
ネット×ギフトが生む新たな市場とは

アマゾン、楽天といった大手ECサイトで出品者がしのぎを削る中、インターネット上でギフトを贈ったり販売したりできる「ギフトプラットフォーム」が、新たなネット上の流通のあり方として台頭してきている。地方の隠れた産品を発掘して流通させる効果もあり、地方創生の現場でも活用され始めているネット上のギフト市場。同事業を展開する「ギフトパッド」に、「ギフト」が生み出す商品流通や地方創生の新たな可能性を聞いた。

■ギフトカタログのネット化で、あらゆる可能性を追求

従来は「紙」だったギフトカタログをWEBカタログ化し、メールやSNSなどで簡単にギフトを贈れるサービスを展開する「ギフトパッド」(兵庫県西宮市)。ギフトカタログをインターネット上で展開することで、これまで紙ではできなかったあらゆる可能性を追求している。

例えば、京都府唯一の村・南山城村にある「道の駅」は今年4月、ギフトパッド上で緑茶やお菓子、旬の野菜などを詰め合わせたお土産をギフトとして販売し始めた。店頭に設置された専用ポップから特設ページにアクセスすれば、個人が誰かにこの村のお土産を贈ることができるし、法人が取引先や顧客に対する贈り物としてこの村の商品を贈ることもできる。 「これは今までのカタログギフトではできないことだったんです」。そう語るのは、ギフトパッドの園田幸央代表取締役だ。

「紙のカタログでは、一般的に半年から一年以上の在庫保証が必要とされていて、今まで在庫の少ない地方の小さな店や産地などの商品は、ギフトとして出品できなかったんです。紙のカタログでは、次のカタログが出るまで商品の入れ替えもできなかった。しかし、ギフトパッドを使えば、これらの課題は乗り越えられるのです」と園田代表は熱く語る。

ギフトパッドは、クラウドシステムのため、商品の入れ替えも容易で、多くの在庫を長期間抱える必要もない。取扱数量の少ない商品や日持ちしない生ものなども販売できるため、全国のあらゆる規模の店や会社の商品を、自在にギフトとして扱うことができる。

南山城村は高級茶として名高い「宇治茶」の一大産地でありながら、あまり知られてこなかった。ギフトパッドとの連携により、お茶を使ったお菓子などの産品が、贈り物として全国に知られるチャンスを得たことになる。

■地方創生における「ギフト」の可能性

「ギフトパッドは、紙カタログのWEB化を超えた、新しい『ギフトプラットフォーム』なんです」と園田代表は言う。ギフトパッドの革新性は、単に、紙のカタログをWEBに置き換えただけにとどまらない。それは、「ギフト」であるがゆえの可能性なのだ。

従来のECは、出品者と購入者を直接つなぐ。しかし、ギフトパッドは、「ギフト」であるがゆえに、出品者と受け取る人の間に、「ギフトを贈る人」がいる。それは法人の場合もある。大規模な法人の「ギフト」に採用されることで、地方のあまり知られていないが魅力ある産品が、全国に知られるという現象が、いま起きている。

NTTドコモは2017から2018の年末年始にかけて、取引先に対して、ギフトパッドのサービスを用いて、沖縄の雑貨や特産品を贈った。どの産品も沖縄以外では手に入りづらい珍しいもので、今までのECでは数量の関係などで展開しづらかった商品だ。ドコモ社が全国に広がる取引先への「ギフト」として紹介することにより、広告費を十分かけられない小規模のメーカーの商品が、全国に知られるようになる。それが、「ギフト」の可能性だ。

「ギフト」にして、企業と組み合わせることで、「地方創生」の新たな可能性が生まれる。ギフトパッドには今、このしくみを用いて地域のあまり知られてこなかった特産品を全国にPRしたい、という地方自治体の依頼も相次いでいる。

■「ギフト」を使って、企業にも新たなビジネスの可能性

ギフトパッドを活用することは、地方のメーカーだけではなく、「ギフト」を贈りたい企業側にも利点がある。企業側は、「ギフト」としてなるべく良いものを送りたい。しかし、今までは数量や流通の関係で、選択肢が限られていた。ギフトパッドを使うと、別の可能性がある。

例えば、自動車メーカーのルノーは成約者に対して、フランスのとっておきのお菓子を贈りたいとの思いから、ピエール・エルメのマカロンをギフトに選んだ。ピエール・エルメも同じフランスのメーカーであるルノーのギフトとして特別に指定されることで、ルノーの顧客層という新たな需要発掘につながるとの判断だった。両社にメリットが生まれ、「ギフト」という側面で、新たなビジネスが生まれたのだ。

ギフトパッド上では企業がギフトを贈る相手に対して、アンケートに答えてもらったり、PV動画などを入れて企業の情報を発信したりできるのも魅力的だ。ギフトのリストの中に、自社商品を入れ込むこともできる。もともと自社に関わりがある人に対して贈るギフトなので、自社商品の人気は高いはずなのだが、「今までのカタログギフトでは、商品が固定化されているため、自社商品を贈ることが容易ではなかったんです」(園田代表)という。ギフトパッドのこのような点が評価され、利用社数は500を超えた。

■「ギフト」以外のサービス展開も

 ギフトパッドが目指す「ギフトプラットフォーム」は、これだけにとどまらない。今年3月に開始した新サービス「シオクル」は、地元スーパーと連携して、離れて暮らすお子さんやお孫さんに、ダンボール一杯の仕送りを送れる仕組みだ。故郷から離れて暮らす人に、故郷の味を送ることが出来るようになった。この仕組みによって、「地元スーパーの地産外消」が初めて実現した。ビデオレターをつけられる点も、面白い。かつてもそうだったように、仕送りや贈り物はいつの時代も、コミュニケーションツールなのだ。

■「ギフトプラットフォーム」で、社会を変える

ギフトがコミュニケーションツールである以上、時代とともにその形は変わる。LINEやメッセンジャーなどを通じてギフトを送れるようにした仕組みもその一つだ。園田代表は、ギフトパッドは、「ECの次」の選択肢になり得ると強調する。

「従来のインターネット通販は、基本的に『自分』に対して何かを買うというものですが、『相手』に対して何かを送るという行為は、全く別のものなのです」。従来のECのように、「売り手」と「買い手」という2者の関係から、ギフトの「作り手」、「贈る人」、「贈られる人」という3者の関係になる。この3者の「プラットフォーム」になろうとしているのが、ギフトパッドの挑戦だ。「ギフトプラットフォーム」を作ることで、流通や生産、ビジネスに新たな可能性が生まれようとしている。

リアル、ネット、ギフトパッドという第3の選択肢になりたい。ECを一歩出れば、そこはブルーオーシャンなのです」(園田代表)

>園田代表について